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ヘンケルアドヒーシブテクノロジーズ(接着技術)

ヘンケルアドヒーシブテクノロジーズ(接着技術)

データセンターは水中にありながらかつてなく熱い

暑い日に冷たいプールに飛び込んだことがある人なら、液体冷却の有効性を知っています。これは決して新しい概念ではありません。自動車のラジエーターは、業界における液体冷却の初期の例の一つであり、125年ほど前から存在しています。
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暑い日に冷たいプールに飛び込んだことがある人なら、液体冷却の有効性を知っています。これは決して新しい概念ではありません。 自動車のラジエーターは、業界における液体冷却の初期の例の一つであり、125年ほど前から存在しています。 数ある温度降下法の中でも液体冷却の使用は、データセンターにおいても目新しい考えではありません。サーバー、高性能プロセッサ、および無数の電子機器からの放熱が制御されていないと、深刻な問題を引き起こしかねません。 データセンターでの液体冷却装置は、高熱になる特定のシステムに限定される傾向がありますが、新しいサーバー構成では、計算集約型およびデータ集約型のワークロードによって温度がさらに上昇しているため、より広範に使用できる液体熱管理というアプローチへの関心が高まっています。 

これはデータセンターの画像です。

データセンターの物理設計では、熱の削減を優先します。これは、電子システムにおいて、高温はパフォーマンスを低下させ、システムを破壊する恐れもあるためです。 データセンターの絶対環境温度上限は27℃ですが、一部の業界推奨によると、温度範囲は22℃~23℃の間にあることが望ましいとされています。[1]これでは空調費が高額になることは想像がつきますし、電力網の大幅な消耗を招くことは言うまでもありません。 したがって、サーバーシステム(および他の電子機器)の温度を可能な限りコントロールすることは、データの保存と処理が途切れないためだけでなく、より高いエネルギー効率、より低いコストで運用するためにも重要です。 

能動的な空気冷却(エアコン、ファンなど)や、上げ床のような通気性を最大限に良くする構造設計に加えて、特にサーバーラック内の電子システムを内側から外側に向けて冷却することも、同様に重要です。 高密度サーバーの電子回路内で、サーマルインターフェース材料(TIM)、ヒートシンク、液体冷却システムを使用することが、用途内で温度を下げる主な方法です。 こうしたアプローチのいずれでも、大規模な革新が進行中です。AI、データマイニング、また分析が牽引するデータの量と速度がますます増大し、さらに熱くなっているためです。

これはmicroTIMを使用したラインカードのヒートシンクの画像です。

流れと共に、より速く

データセンターの液体冷却には、さまざまな形式があり、冷却プレートやPCB/モジュール間のシャーシに取り付けられた冷却パイプから、ラック全体を浸す完全液浸冷却システムまであります。 このアイデアは比較的単純で、 冷却液(水または誘電体冷却液)がパイプなどの構造物内を循環し、高性能コンピューティングチップの集熱器として機能する金属接触面を冷却します。 液浸冷却の場合、コンポーネントはタンク内に完全に浸かっており [2] 、コンポーネントに害のない誘電体冷却液が循環して、システムの動作熱を減らします。  サーバーボードやラック向けの冷却プレートと液浸冷却は、データセンターの特定のエリアでのみ使用されてきましたが、データ量と強度が増加し続けることに伴い、この温度制御方法は、2022年から2028年にかけてCAGR(年平均成長率)20%になると推定されています [3] 。 

これはデータセンター室内の画像です。

データセンターの作業員は、熱の削減によるパフォーマンスの最適化を管理するだけでなく、よりサステナブルでエネルギー効率の高いデータファクトリーになるようにも努めています。電力密度が高い場合、空冷で得られる効果は限られています。  液体冷却により温度低下の方程式は増幅しますし、水または高効率の冷却剤を再循環して(つまり無駄を減らして)行なわれます。  これにより、電力の消費が大幅に削減されます。問題は、  液体冷却のプラスの効果をさらに大きくできるかどうかです。 

過去には、コンポーネントと金属製の液体冷却パイプ/プレート/シャーシの間にTIMを使用することで、液体冷却システム放熱のさらなる改善が試みられてきました。  これにより、本来は金属同士の接点となる部分の放熱が促進されます。  このアイデアには利点があります。  残念ながら、既存のサーマルインターフェース材料は、パッド状、接着剤、ゲル状、液状のいずれにしても、用途に適していなかったり(ゲル状と液状)、頻繁な摩擦に耐えられなかったりします(パッド状と接着剤)。こうした摩擦は、ハウジングに差し込むプラグ可能なコンポーネントや、仕切りのある液体冷却プレート構造に挿入されるPCBによって起こります。材料は圧迫や擦れにより、実質的に効果がなくなってしまいます。 

これはサーバーラック上の熱伝導グリース材料の画像です。

しかし、最近のTIMの革新は、液体冷却改良の可能性を示しています。 トランシーバプラグ可能光モジュール(POM)での顕著な熱削減が実証されている、耐久性のあるマイクロサーマルインターフェース材料(mTIM)を超薄層に塗布すると、金属対金属の熱移動よりも優れた熱伝導性インターフェースとなり、放熱を促進します。現在データセンターでOSFP 400 GbE POMに採用されているこのソリューションは、金属対金属インターフェースとの比較で大幅な温度削減を示しています。POMごと(1つのラインカードに最大32個のPOMを収容可)の熱削減効果は、さらに大きくなります。mTIMの性能調査は、パイプおよび液浸の各冷却設計でいずれも初期段階にありますが、耐久性のあるコーティングの特性と属性から、液体冷却構造の冷却を大幅に加速できる可能性があると言えます。 この材料は複数の金属と互換性があり、25 µm (+/- 5 µm)と超薄型で、耐久性に優れています。  

データセンターのサーバーラックがさらに高温になり、特に効果的な液体冷却ソリューションでさえ限界に追いやられているので、よりサステナブルで高性能な運用のためには、mTIMのように革新的な熱制御を検討することになるでしょう。

これはmicroTIMを使用した透明なトランシーバの画像です。

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