通信機器は常にオンの状態になっています。故障なしで、常時稼働し続けなければならないのです。その点は従来の有線インフラでも同じでしたが、5GとWi-Fi 6の急成長により、ワイヤレス帯域幅への需要増大が予想されています。これらの新しいワイヤレス技術は、広い範囲に分散されたアクセスポイントをさらに必要とします。そしてそれらのクセスポイントは、保守や交換のためのアクセスが困難な場合が少なくありません。
通信業界では、信頼性は金銭的な問題だけでは済みません。設備は多くの場合危険な場所やアクセスが困難な環境に配置されているため、人命を脅かすことにもなりかねないからです。通信インフラには故障が発生し得るポイントが数多くあるため、製造工程で信頼性を改善できるあらゆる手順を検証することは有益です。
5G無線タワーからマイクロ波リレーに至るまで、通信機器はハードウェアにとっては過酷な屋外環境で動作しています。これらの機器は、限られた冷却オプションと高速処理速度に加え、温度変化、湿度、風振動に常に曝されています。通信電子部品の熱管理には独特の課題があります。遠隔地、アクセスが困難な構造、頻繁な緊急対応の必要性など、通信設備の修理は特に難しさが伴い、費用がかかる場合があります。
ネットワークのダウンタイムにかかるコストは非常に膨れ上がる場合があります。これらの要素の影響を低減するなら、電子部品の信頼性と耐久性の最大化を確保できるなどの点で大きな見返りがあります。
先進材料は通信回路基板を物理的に安定させ、それらを自然力から保護するので、各装置の基板の製品寿命は要求されている10~15年を達成することができます。回路の温度を制御する熱伝導性接着剤などの材料により、電子機器の製品寿命を延長できます。アンダーフィルは、電子機器の故障の原因となる極端な高温や低温に曝された回路基板の膨張と収縮を制御できます。先進的なはんだは、同じ物理的応力に対して耐性を発揮することができ、シーリング剤は、エンクロージャや繊細な電子機器に湿気が入らないようにするうえで役立ちます。
しかし、利点は信頼性だけではありません。先進材料は、通信回路を小型化し、機器あたりの帯域幅密度を高めることができます。その結果、アンテナの小型化、ハードウェアの重量低減、建設費用の削減を実現できます。
通信インフラでは、小型化と高性能がパフォーマンスを左右します。信頼性と性能は通信業界における固有の課題であり、電子部品で使用される先進材料は、次世代レベルの革新的な性能を実現する小さな変化をもたらします。
熱伝導性接着剤、安定したアンダーフィル、封止材料などの材料の変更は、交換、修理、保守にかける費用を今後幾年にもわたって節約することを可能にします。
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