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ヘンケルアドヒーシブテクノロジーズ(接着技術)

ヘンケルアドヒーシブテクノロジーズ(接着技術)

ホットメルト接着剤の炭化の防止

ホットメルトパッケージング接着剤の炭化のトラブルシューティング。
6 分.
冷凍ピザの箱を見る女性。最終パッケージングに使用。

パスタの箱のシーリングからエナジードリンクのラベルの固定まで、ホットメルト接着剤はパッケージング業務において最も汎用性の高い製品の1つです。メーカーは、消費者が日常的に使う製品のパッケージングを効率的かつ安全に行えます。ホットメルトパッケージング接着剤は、短い圧着時間ですばやく硬化し、強力な接着を形成するように設計されています。消費者の要求に合わせるには、パッケージングラインをスムーズに稼働させ、ダウンタイムを回避する必要があります。パッケージング業務の効率を下げる原因の1つは炭化です。炭化はホットメルト機器に影響を及ぼし、ダウンタイムを増加させる可能性があります。ひとたびシステム内で炭化が生じると、取り除くのが難しい場合があります。

炭化の原因は、熱、汚染物質、ホットメルト接着剤の酸化です。ポリマー鎖が壊れ始めると、さらされ過ぎた接着剤が焦げ(黒くなり)、ホットメルト機器のフィルタ、ホース、ノズルが詰まります。炭化は、塗布や消費財パッケージのシーリングに大きな損害を与えるおそれがあります。炭化の原因は診断が難しく、機器設定、作業工程、接着剤の組み合わせである場合があります。ホットメルトシステムに炭化が形成されやすくなる条件には、以下が挙げられます。

  •  ホットメルト接着剤の推奨される温度を超えて機器が運用されている
  •  ホットメルト接着剤が長期間にわたり高温にさらされている
  •  ホットメルト接着剤が長期間にわたり酸素や汚染物質にさらされている

これらの条件は、ホットメルトパッケージングラインにいくつかのベストプラクティスを導入することで簡単に改善できます。

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ホットメルトパッケージング接着剤の性能の最適化

ホットメルト接着剤の炭化は、継続的なメンテナンスの問題、また製品品質の問題を引き起こし、結果として生産ラインのダウンタイムにつながることがあります。ひとたび炭化物がシステムの中に入り込むと、完全に洗い流すのは困難です。タンクの湾曲部や隅のほうなど、デッドスペースは必ずあるもので、簡単に洗浄することはできません。このような場所に硬くなった炭化物が集まり続けてはがれると、フィルタ、ホース、ノズルに詰まる原因になります。

最も簡単な解決策は、標準作業手順の確立による防止です。機器と接着剤の最適な性能の理解を組み合わせることが重要です。その他の導入すべきベストプラクティスには以下があります。

  1. 推奨される動作温度を超えた稼働を避ける – 高温によって高い割合で接着剤の劣化が促進され、炭化の形成が増加します。
  2. ホットメルト接着剤タンクの過充填を避ける – 接着剤が蓋に接触したり、タンクの縁に付着したりすると、循環されずに留まって煮込まれ、炭化を形成します。こうなると、接着剤が溶けて使用されるようになるまで、蓋がずっと閉まらない可能性もあります。 そこからほこりやその他の汚染物質がタンクに入り、さらに炭化が形成されるおそれがあります。
  3. ホットメルトタンクの一貫した充填を維持して充填不足を防ぐ – 充填が推奨されるラインを下回ると、タンクの壁に固着したホットメルト接着剤の残留物が焦げます。炭化形成の防止において、タンク充填は重要な要素です。
  4. ホットメルト接着剤を覆っておく(箱/蓋をしっかり閉める) – ほこり、段ボール線維、その他の汚染物質は接着剤成分に影響を及ぼす場合があります。ホットメルト接着剤は保管中でもタンク内でも保護します。蓋を閉めて屑がない状態を保つことは、ほこりや汚染物質を回避する上で重要です。
  5. メッシュ注入口への付着を防ぐ – 接着剤補給口とポンプドレンの間にあるこのフィルタは、ホットメルト接着剤が付着してデッドスポットになる場合があります。メッシュ注入口の屑は頻繁に取り除いてください。
  6. 水分の浸入を避ける – ホットメルト接着剤機器に水分が浸入すると、酸素が燃焼してシステム内で気泡や炭化が発生します。また、水分が接着剤接合の効果に影響して、はじけ開きにつながるおそれもあります。

炭化が形成されると、作業者は非常手段を取るまでこの問題の解決に奮闘することになります。ホットメルトパッケージング生産ラインから炭化物を完全に取り除く方法は1つありますが、それにはシステム全体をシャットダウンする必要があります。完全に炭化物を除去するには、ホットメルトシステムを分解し、各部品を焼却炉にかける必要があります。コストも時間もかかることに、さらに各種の部品を交換し、機器を再調節する必要もあります。防止策によって、ホットメルトパッケージングラインを長期間にわたりスムーズに稼働できます。システムを洗い流すほかの方法もありますが、どの方法でも機器メーカーのガイドラインを参照する必要があります。

工場内で話をする安全ゴーグル姿の2人の男性。

ホットメルトパッケージング接着剤の性能の最適化

ホットメルト接着剤および機器がパッケージング業界の主流になったのは1960年代です。これらは、ケースやカートンのシーリング、ラベリング、パレットの固定において標準と見なされています。その使いやすさと機能性から、ホットメルトシステムはあらゆるタイプの基材の接着に最適です。各ホットメルト接着剤システムは、用途や機器メーカーに基づいて、さまざまな動作ニーズに合うように設計されています。これらのニーズが変更されれば、炭化の形成の原因となる問題を回避するために、機器を調節する必要があります。

パッケージングラインの最適化において、機器性能のモニタリングは重要な部分です。システムと接着剤がどのように連携しているかは重要です。機器のベストプラクティスの一部を以下に示します。

1.セットバックモードを使用する – この機器の機能によって接着剤を冷却できます。ホットメルト機器が長時間稼働していないときに高温のままにしておくと、炭化の原因になります。セットバックモード(待機モード)の手順を確立すれば、接着剤の可使時間が長くなります。

2.タンクの蓋を開けたままにしない – 汚染物質や屑がタンクに入らないようにするには、タンクのメンテナンスが重要です。充填時にタンクの蓋を開けた後は、必ず正しく密封する必要があります。壊れた蓋や開いた蓋によって、溶けたホットメルト接着剤が縁に固着し、さらなる問題の原因になるリスクがあります。ホットメルトタンクの周囲をすべてきれいに保ち、蓋を正しく維持しましょう。

3.ホースの押し付けや曲げを避ける – 曲がったホースにデッドスポットやホットスポットが形成されることがあります。接着剤が特定のエリアに固着したり炭化物を形成したりしないように、ホースをきつく巻きつけないことが大切です。

4.予防保全計画に従う – ホットメルト機器メーカーが推奨するクリーニングと部品交換のメンテナンス計画に従うと、機器の耐用年数が長くなります。

話し合いをする安全ゴーグル姿の2人の男性。

ホットメルト接着剤システム内の炭化を低減するためのベストプラクティス

ホットメルト接着剤の塗布の一貫性をいかに維持するかを理解することは重要です。各機器メーカーは、機械が効率的かつ効果的に作動し続けるためのベストプラクティスを用意しています。正しく運用することに加えて、生産能力に見合った適切なサイズの機器を使用することが、炭化の発生を防ぐ助けになります。炭化の作用には以下があります。

  • ダウンタイムやメンテナンスコストの負担を招くフィルタやノズルの詰まり
  • 炭化物が基材に付着して筋や跡、不均一な表面を残すといった接着ラインへの影響
  • ポンプの損傷、シーリングの破れ、ポンプ壁の引っかき

食品・飲料メーカーは、強力に密封または接着するホットメルトパッケージング接着剤の効果に頼っています。ブランドオーナーは、しっかりとした接着を生むための最適な接着剤の性能を理解する必要があります。ホットメルト接着剤の効率を上げる方法の理解を深めるために、ヘンケルのデジタルトレーニングプラットフォームに登録し、接着剤の動作寿命を延ばすためのベストプラクティスをさらに習得しましょう。

溶解タンク内のホットメルト顆粒

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