Skip to Content
ヘンケルアドヒーシブテクノロジーズ(接着技術)

ヘンケルアドヒーシブテクノロジーズ(接着技術)

設計から製造段階に至るまで、EVバッテリーの質を高めるには

4 分.
これはCPU冷却技術を抽象化した画像です。

100年にわたり圧倒的な存在感を示してきた内燃機関(ICE)自動車は、ついに世代交代の時期を迎えているかもしれません。気候変動への取り組みを支援するため、電気自動車(EV)が長年使用されてきたICEに取って代わろうとしています。自動車メーカーにとっては、刺激的であるものの、非常に難しい変革の時期でもあります。

なぜなら、自動車業界はバリューチェーン全体にわたり、世界で最も先進的なオートメーション、最先端技術、革新的な製造工程を採用しているからです。このような高度化は、時間、リソース、資金など、莫大な投資の上に築かれてきました。加えて、自動車のサプライチェーンは世界で最も複雑なものの1つであり、消費者向けの車両に20,000個の部品*を提供しており、数千のサプライヤーが関わっています。革新的なEVを製造するうえで新しい材料こそが大きな変化をもたらします。さらに、現在のICEの製造工程の多くはEV製造に転用できないため、工程には改革が求められています。

こうした現状が強力に組み合わさり、EVの変化と課題の規模を押し上げています。課題を解決するうえで核心となるのは、EVの心臓部であるバッテリーです。EVの性能全体に多大な影響を及ぼす部品であるEVバッテリーにとっての課題とは何かを考察してみましょう。

EVバッテリー

結局のところ、EVの採用が主流となった要因はは、バッテリーの設計、製造、性能の解決策と結びつきがあるのです。EVがICEと比べて、より広範囲で受け入れられるためには、以下の4つの課題要因でさらなる進歩の必要があります。各要因は相互に依存しているため、それらを解決してEVバッテリー性能の最適化を図るには、すべての問題に同時に対処する必要があり、反復的かつ多次元的な取り組みが必要です。先進材料が課題解決に理想的である理由は、高度に設計され、カスタマイズされた配合を使用することで、複数の課題を同時に解決できるからです。

EVバッテリーは複数の優先事項に対処が必要

課題#1:EVの価格をICEの価格帯に近づけて手頃なものにする。

この課題に取り組むにあたり、バッテリーが重要である理由
EVバッテリーはEV全体のコストのほぼ50%を占めています。そのため、EVバッテリーは、コストを削減し、EVをより手頃な価格にするための重要な手段となります。

先進材料がこの課題の解決にどのように役立つか
コストの削減は、EVバッテリーの材料と製造工程に依存します。各メーカーの特定のニーズに合わせてオーダーメイドされた先進材料は、材料の改善により製造速度と効率の向上という2つの分野でコスト削減を促進できます。


あるバッテリーメーカーにおいて、EVバッテリー製造工程での塗布効率を高めるために、ヘンケルは既存の延焼防止材のエアゾールスプレーの製造工程を置き換えました。方法をエアゾールスプレーからフラットストリーム塗布工程に変更し、これにより過剰スプレーによる無駄を100%削減できました。結果として、年間180,000 kgの材料の節約、生産効率の向上、廃棄物による環境への影響の低減が達成されただけでなく、より安全なEVバッテリーの機能がサポートされるようになりました。

課題#2:現在のEVバッテリーの平均的な充電時間である30分~12時間を改善する。この時間は、バッテリーのサイズ、開始時の充電量、車両の充電速度、充電ポイントの充電速度、環境要因によって異なります。対照的に、ガソリンスタンドでICEに給油する時間は数分程度です。

この課題に取り組むにあたり、バッテリーが重要である理由
充電速度は、バッテリーの設計の改良、新規材料を使用して性能を高めることで改善が可能です。

先進材料がこの課題の解決にどのように役立つか
先進材料は、より高速な充電機能を可能にする革新的なバッテリー設計を実現するうえで不可欠です。


EVバッテリーの正極導電性コーティングは、内部の電気抵抗を減らし、活性材料と正極の接着性を向上させるのに役立ちます。これらの要素は、バッテリーセルの充電性能の向上に役立ち、高速生産環境に適応が可能です。

課題#3:ICE車両の1回分の給油とバッテリー充電の1回あたりの航続距離を比較して、消費者の懸念を減らす。こうした懸念は、ガソリンスタンドは至る所に存在しているものの、EV充電ステーションの利用可能な場所は、現在のところ限られているという対照的な状況により悪化しています。

この課題に取り組むにあたり、バッテリーが重要である理由
EV全体の重量の3分の1を占めるバッテリーは、EVで最も重い部分です。車両重量が重いほど航続距離が短くなりますが、その逆もまた真実です:軽量な車両ほど航続距離が長くなります。

先進材料がこの課題の解決にどのように役立つか
先進材料は、安全性を損なわずに車重を削減する上で優れた力を発揮します。重い金属製留め具に代わる樹脂ガスケットやシール材を検討してみましょう。


ガスケット、接着剤、シーリングなどのソリューションにおいてカスタマイズされた化学配合は、EVバッテリーに使われる機械的な固定金具に取って代わることができます。これらの材料は、バッテリーパックから湿気やほこりの浸入を防ぎバッテリーの性能低下や故障を軽減し、航続距離を延ばします。先進材料は製造自動化も改善し、より正確でコスト効率の高い生産を実現します。

課題#4:安全性は、規制と消費者の導入の観点から絶対条件です。このことは、現在と将来においてもEVを導入するうえで肝要な要素となります。

この課題に取り組むにあたり、バッテリーが重要である理由
リチウムイオンバッテリーは、熱を発生する化学反応を利用しています。安全な動作を確保するには、熱暴走を防止する必要があります。

先進材料がこの課題の解決にどのように役立つか
先進材料は安全性の最大化を図って配合されています。


上述の延焼防止材の例に加えて、泡状の材料(フォーム)を高効率に自動的に塗布してバッテリーパックに充填することで、難燃性を高めることができます。セル間の熱伝達を封鎖するので、硬質フォームによる封鎖は熱連鎖反応の防止に役立ちます。

詳細はこちら

電気自動車の心臓部であるEVバッテリーは、メーカーがICEからEVへと材料と製造を移行させるにあたって、絡み合った複数の課題を解決する点で重要な役割を果たします。カスタマイズされた先進材料は、これらの複雑なニーズに多面的かつバランスの良い方法で対処することができ、EVバッテリーとその製造工程の効率性や安全性を向上させ、消費者にとってさらに質の高いものにできます。つまり、質の高いEVバッテリーは、優れたEV製造に貢献します。

エキスパートとのご相談は、 こちらからご連絡ください。先進材料がEVバッテリーの設計、製造、効率をどのように改善できるかについての詳細な議論は、 こちらにリンクされています。

インサイト

解決策をお探しですか?ヘンケルがサポートします

当社のエキスパートが、お客様のニーズについて詳しくお伺いします。

  • 一般的なお問い合わせ

  • オフィスで働くコールセンターの女性従業員が笑顔でヘッドセットを装着している

    商談のお申込み

その他のサポートをお探しですか?

当社のサポートセンターとエキスパートが、お客様のビジネスニーズに合ったソリューションを見つけるお手伝いをいたします。