電気自動車にはテールパイプからの排出はありませんが、EVのバリューチェーン全体を通して効率化を図ることで、持続可能性の針を動かすことができます。先進材料は、原材料から製造、バッテリーのリサイクル、そしてEVの製品寿命の終わりに至る、自動車のライフサイクル全体の効率を高め、最適化するのに役立ちます。
EVは内燃機関(ICE)車の約4分の1の排出量しか出さないため、温室効果ガスの全体的なレベルを下げることができます。とはいえ、製造のバリューチェーン全体で真のインパクトをもたらすには、まだ改善の余地があります。先進材料が可能にするバッテリーの改良と部品の軽量化により、EVは新しい消費者にとってより魅力的なものになります。そして、より多くのEVが道路を走るようになれば、炭素と温室効果ガスの削減という直接的な恩恵により、全体的な排出量が削減され、世界的なサステナビリティへの取り組みをさらに推進することができます。
自動車製造は重工業であり、当然、汚染物質の流れを生み出す複雑な製造工程を伴います。ICE車とEV車では製造工程が大きく異なるため、自動車メーカーは、特有の製造問題に対する新しくサステナブルな解決策を見出そうとする場合に、一方の工程からどのように他方の工程に軸足を移したらよいのかを習得すると、学習曲線は急峻になります。
先進材料は、バッテリーのあまり目立たない問題を解決することにも役立ちます。EVバッテリーは密閉する必要がありますが、最終的には修理や交換が必要になります。引き剥がすときに力が要らない熱伝導性ギャップフィラーは、修理、再利用、リサイクルのためにバッテリーモジュールを非破壊でより簡単に取り外すことができます。
熱伝導性ギャップフィラーの主な機能は、バッテリーセルの熱源から冷却プレートへの放熱ですが、バッテリーの構造的完全性を向上させることもできます。熱伝導性ギャップフィラーを使うと設置されたバッテリーに柔軟にアクセスできるため、そのままの場所で修理することが可能です。
熱伝導性ギャップフィラーは、使用可能なバッテリーを廃棄するのではなく、寿命を延ばす助けになるので、バッテリーを産業廃棄物にしたりせず、リサイクルの流れに乗せることも可能になります。熱を制御したり、新しいバッテリー設計を可能にしたりすることによりバッテリーの寿命を延ばす材料は、自動車のライフサイクル全体にわたって環境への影響を減らす助けとなります。
剥離可能な接着剤もまた、バッテリーリサイクルの未来を担うと予想される研究分野です。もしメーカーが、要望に合わせて剥離・修復可能な信頼性の高い接着剤を開発できれば、この取り組みは業界のゲームチェンジャーとなると思われます。
EVのバッテリーを交換するのではなく修理できれば、バッテリーごと交換する高いコストが補填され、消費者にとって経済的なメリットが大きくなります。消費者がバッテリーを採用するにあたり、バッテリーを交換する代わりに修理するという選択肢を作ることが重要です。
サステナビリティは、EVのバリューチェーン全体を通じてEV革命の中心にあります。先進材料は、テールパイプから果ては発電まで、修理工場やスクラップヤードにおいてもネットゼロ排出にする取り組みを進める上で重要な役割を果たしています。
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