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ヘンケルアドヒーシブテクノロジーズ(接着技術)

ヘンケルアドヒーシブテクノロジーズ(接着技術)

食品に安全なパッケージ素材の使用

食品接触材料の重要性
5 分.
切れ端が入ったパウチを手に持つ眼鏡をかけた男性

食品接触材料は安全な食品パッケージの製造に重要な役割を果たします。したがって、適用されるすべての法的要求事項に適合しなければなりません。本ページでは、食品接触材料に関する最新の法令および規制の枠組みについて詳しく説明します。対象となる化学物質と当社の接着剤ソリューションのポートフォリオをパッケージ市場別に分類しておりますので、ご活用ください。

食品接触材料に関する法規制

食品接触材料に関する法規制の強化と適正製造規範(GMP)の実施を求める声の高まりを背景に、安全な食品包装および食品接触材料の設計と製造に関する枠組み作りが進められています。

食品の安全性に関しては、さまざまな製造段階で生じる意図的に添加される物質(IAS)または非意図的に混入する物質(NIAS)が人の健康に及ぼすリスクを最小限に抑えることに主眼が置かれています。食品生産者およびサプライヤーは、認可された物質が規制で定められる閾値を超えな様に管理するとともに、認可されていない物質(NIAS)についても健康リスクを生じさせない様に配慮する必要があります。

ヘンケルアドヒーシブテクノロジーズは、食品接触材料の安全性に関する法的要求への対応を支援する製品ソリューションとサービスを提供しています。

枠組み規則(EC) No 1935/2004

規則 (EC) No 1935/2004は一般要求事項であり、適合性を実証する方法を厳密に指示するものではありません。本規則の第3条では、食品と接触する材料や成形品が食品に成分を移行させることによって、以下の様な影響を与えてはならない量として定められています:

  • 人の健康を損なうおそれがあること
  • 食品の組成に許容できない変化をもたらすこと
  • 食品の官能特性を劣化させること

接着剤は食品接触材料の構成要素として理解されるべきです。また、一部のEU加盟国は、食品接触用途の包装材および成形品を対象とする独自の国内規制を定めています。従って、包装食品への移行および影響に関するリスク評価を用途別に実施しなければなりません。

GMP規則(EC) No 2023/2006

EU規則(EC) No 1935/2004の第3条およびEU規則(EC) No 2023/2006の第5条から第7条は、食品用途向け包装材のすべての製造業務において適正製造規範(GMP)を実施することを定めています。GMPの目的は、各製品をその用途に応じて定められた品質基準に従って一貫して生産、管理することです。

GMPに準拠して製造された材料は、食品包装および食品接触材料の製造者が、欧州の食品接触材料に関する規制をに完全に遵守した製品のみを市場に提供するという責任を支援します。欧州接着剤協会(FEICA)は、食品接触材料の製造に使用されるすべての接着剤およびコーティング剤の製造工程におけるリスク管理と食品安全に関するGMPガイドラインを策定しています。

プラスチック規則(EU) No 10/2011

枠組み規則に加えて、素材ごとの規則もいくつか定められています。プラスチック規則 (EU) No 10/2011は、食品と接触するプラスチックに関する個別の指針です。この規則は複合材料の中のプラスチック層のみを対象としており、接着剤やコーティング剤には直接適用されません。しかしながら、プラスチック規則には個々の物質に対する特定移行限界(SML)が定められており、これらの物質の多くは接着剤にも使用されているため、考慮する必要があります。これらの制限は毒性データに基づいて設定されており、規定値を超えない限り、健康へのリスクは想定されていません。

食品包装に関連する注目化学物質

食品包装におけるリスク評価を適切に行うためには、すべての移行可能な物質のスクリーニングが不可欠です。ヘンケルは、関連する化学物質について豊富な知識を有しており、包括的な分析サービスと自社での毒性リスク評価の体制を整えています。以下に、IAS/NIAS、SVHC、鉱物油および可塑剤に関する情報をご紹介しています。

1.IASおよびNIAS

一般的に、食品接触用途の接着剤は、主に意図的添加物質(IAS)で構成されており、一定の割合で非意図的添加物質(NIAS)も含まれています。

  • 意図的添加物質(IAS)は、技術的性能や耐熱性など、製品の機能において重要な役割を果たします
  • 非意図的添加物質(NIAS)には、以下のようなものが含まれる可能性があります:

    • 製造工程で発生する反応副生成物
      機械の不適切な使用や洗浄不足、作業環境での汚染等に由来する不純物
    • 安定剤や防腐物剤などの分解生成物

NIASはバリューチェーン全体を通じて生成される可能性があります。規制の対象であるIASおよびNIASは、規制の制限を遵守している限り、安全に使用することが可能です。この場合、個別のリスク評価は不要です。

一方で、EUまたは各国レベルで評価されていない移行可能な物質については、枠組み規則規則(EC) No 1935/2004の第3条への適合性を示すために、社内で毒性リスク評価が必要になります。

2.対象となる化学物質

一部の製造工程においては、対象となる(またはその可能性がある)化学物質のスクリーニングが必須となります。このプロセスでは、混合物および成形品に含まれる成分が健康および環境に与える影響について、慎重な評価が求められます。

2.1.高懸念物質(SVHC)

特に重要とされる化学物質、いわゆる高懸念物質(SVHC)は、リスク評価において特別な配慮が必要です。化学物質の登録、評価、認可及び制限(REACH)に関する規則第55条では、高懸念物質によるリスクが適切に管理されていることを確保し、経済的および技術的に可能な場合には、これらの物質を適切な代替物質または技術へ段階的に置き換えることが求められています。これらの化学物質については規制上の評価が検討されます。

2.2.可塑剤

可塑剤とは、もともと脆い性質を持つ材料に柔軟性や延性を与え、加工しやすくしたり、特定の使用特性を持たせるために添加される物質です。これらの添加物は、プラスチック、ニス、コーティング剤、シーリング材、工業用ゴム製品、天然ゴム製品、接着剤など、様々な製品に使用されています。

2.3.鉱物油

近年、鉱物油は食品安全性に関する議論の中で注目を集めています。鉱物油は明確に定義された化学物質ではなく、炭素数や構造が異なる炭化水素の非常に複雑な混合物です。この複雑性により、適切な毒性リスク評価を行うことはほぼ不可能とされています。

鉱物油の成分は、鉱物油飽和炭化水素(MOSH)と鉱物油芳香族炭化水素(MOAH)に分類されます。

  • 発がん性物質や突然変異を引き起こす可能性のある物質が含まれている可能性があるため、完全に排除することはできません。
  • これらの化合物は、人間の細胞の遺伝物質であるDNAと相互作用し、結果としてがんを引き起こす可能性があります。
  • 動物実験では、MOSHが主に肝臓やリンパ節などの組織に肉芽腫として蓄積されることが示されています。

評価されていない鉱物油は、食品と接触しないよう、機能性バリアによって安全に遮蔽する必要があります。包装に使用される一部の接着剤やインクには、意図的に鉱物油成分が添加されている場合があります。

一部の鉱物油成分は欧州レベルで評価されており、食品接触用途や食品添加物(E905)としての使用が認められています。

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