溶接や機械的固定の代わりに構造用接着剤を用いることの利点を説明します。構造用接着剤は、軽量化、CO2排出量削減、希少な熟練作業者への依存の低減、自動化の促進を可能にし、製造材料の選択の幅を広げてくれます。
Market Segment Manager for RV, Specialty Vehicles & Heavy Equipment
農業、鉱業、建設、物流、その他多くの最重要産業にとってトラックやトラクターなどの重機は必要不可欠なものです。
経済的な存立可能性を損なうことなく、重機の環境フットプリントを最小限に抑えることは重要な目標です。
当社の別のブログでも述べていますが、代替動力源は最も大きな影響力がある一方で、素材の調達から製造、運転、保守、撤去に至るまでバリューチェーン全体のサステナビリティに着目する必要があります。しかし、2020年のenvironment.coの製造自動化に関する記事で指摘されているように、これらの要素は必ずしも動力と同等の注目を集めていません。
重機のサステナビリティを高める機会はバリューチェーンの至るところにあります。構造用接着剤が溶接や機械的固定に代わっていかに持続可能性の高い製造プロセスを実現し、効率性の向上、熟練作業者への依存の低減、CO2排出量の削減をもたらし、最終製品の軽量化と保守の容易化を達成できるかを検討します。
他の製造業と同様に、重機の製造も溶接、ボルト、ナットを用いたスチール部品やアルミニウム部品の結合に大きく依存してきました。接着剤による結合や金属以外の素材の使用は、限られた強度と耐久性しか得られないとの理由から、主に非構造部分に限定されていました。
素材と接着技術の進歩によって、次第に溶接や機械的固定に代わり、必要な強度と弾性が得られ、環境面とコスト面で大きなメリットがあるサステナブルな選択肢が提供されています。
構造用接着剤は、次の点で溶接や機械的固定に代わる選択肢となります。
軽量化の実現 - ヘンケルは2022年のブログで自動車製造における軽量化を取り上げ、重いリベットや溶接を2.2 ポンドの接着剤に置き換えることで、構造的完全性や安全性を損なうことなく、車体重量を55 ポンドも低減できることを紹介しています。
重機はその使用寿命のうち多くの時間を必要とされる場所への移動に費やします。軽量化は牽引において大きな利点となるだけでなく、燃費の改善に直結します。
2022年4月にAmerican Journal of Transportation に投稿された記事は、商用車の軽量化における利点を詳しく説明しています。
CO2排出量の削減 - 機械的固定や溶接の代わりに構造用接着剤を使用することで生産工程が簡略化され、調達や保管が必要な在庫と材料の量が削減されます。これによって、生産と輸送によるCO2排出を大幅に削減できます。
希少な熟練作業者への依存を最小化 - 2022年にmanufacturingtomorrow.comに掲載された記事によると、米国溶接学会(American Welding Society)は2024年までに40万人の作業者不足が生じると予測しています。可能であれば溶接を構造用接着剤に置き換えることで、熟練作業者への依存が低減され、より容易に自動化が可能になります。
工程監視と工程管理の自動化を促進 - 構造用接着剤の塗布工程を自動化することで、吐出量、化学組成、温度などの要素を継続的に監視、測定、管理、最適化できるようになります。ヘンケルのDigilineの枠組み は、インテリジェントな監視と管理によっていかに接着工程の効率性、ひいては持続可能性を変えることができるかを実証しています。
製造材料の選択の幅が広がる - アルミニウムやスチールの代替材料は、軽量で環境フットプリントが小さいことから自動車製造においてますます大きな役割を果たしています。2020年のmarketsandmarkets.com の調査によると、自動車向けコンポジット材料の市場規模は2020年の72億ドルから2028年には143億ドルと2倍に成長すると予測されています。構造用接着剤は幅広い基材に使用できる点で、製造材料の選択の幅を広げることができます。
化学物質を使用した重機向けのソリューションは、構造用接着剤をはるかに超えています。シームシーリングやガスケットの塗布などの重要工程に最先端の化学物質ソリューションを使用することで、サステナビリティ、効率性、コスト面で利点があります。たとえば、液状ガスケットを使用することで、プレカットガスケットの使用に伴う製造、在庫、MRO(保守、修理、運用)の間接費が削減されます。複数の特注部品を、世界各地で使用できる単独のソリューションに置き換えることができます。
ヘンケルは、材料ソリューションのグローバル市場をリードする存在です。OEMや事業者とのイノベーションやコラボレーションに取り組んできた実績があり、重機バリューチェーンでサステナビリティを推進するための理想的なパートナーであると言えます。
140年以上にわたり、ヘンケルの材料テクノロジーはブランドと技術に成功をもたらしてきました。ヘンケルは、重機製造に使用できる次のような幅広い種類の材料テクノロジーにおいて、市場をリードするソリューションと広範な技術的ノウハウを提供します:
- 接着剤
- シーリング剤
- GAP PADとギャップフィラー
- ポッティング材
- 液状ガスケット
- サーマルインターフェース材料
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