製造業、重工業、メンテナンス・補修現場のいずれであっても、ねじ部品が重要な役割を担っていることがあるでしょう。
強固で信頼性の高い組立を実現するには、適切なツールの選定が重要であり、その代表例がねじゆるみ止め用接着剤です。それは、ただ適切なねじゆるみ止め用接着剤を選択すればよいというものでもありません。正しく塗布および使用することが極めて重要です。正しい手順に従わない場合、ファスナーの長期的な不具合につながる恐れもあります。ご参考までに、LOCTITE®ねじゆるみ止め用接着剤の効果的な使い方に関するステップ・バイ・ステップガイドをご覧ください。
LOCTITEねじゆるみ止め用接着剤の主な利点のひとつは、使い方を理解すれば比較的簡単に使用できることです。LOCTITEねじゆるみ止め用接着剤の多くは小さなボトルに入っています。ボトルには細いノズルが付いていて、そこから接着剤を直接ねじ部に塗布した後、ボルトをねじ込めるようになっています。
前処理はしばしば見過ごされがちですが、ねじゆるみ止め用接着剤の性能や寿命にとって非常に重要です。製造業で使用されるファスナーには腐食抑制剤がコーティングされていることがありますが、これを適切な洗浄剤で除去する必要があります。この作業を怠ると、硬化プロセスが妨げられる場合があります。メンテナンスや補修の際に、グリースや粉塵などの汚染物質によってねじゆるみ止め用接着剤の硬化が妨げられてしまうことがあります。ねじは清潔に保つことが重要です。効果的な洗浄と前処理によって、ねじゆるみ止め用接着剤の最適な機械的、熱的、化学的性能を確保できます。
洗浄後、十分な時間をかけてねじを完全に乾燥させてください。接着する表面に、使用した洗浄剤が残っていないか確認してください。
できるだけ最強の接着強度が得られるよう、接着表面が両方とも完全に乾いてから、ねじゆるみ止め用接着剤を塗布します。
ねじゆるみ止め用接着剤は、少量で効果があります。覚えておくべき最も重要なポイントは、2つのねじ部を接着させるときに、噛み合う部分にだけ塗布すれば最大限の性能を確保できるという点です。
ところが、最もよくある間違いは、接着剤を使いすぎてしまうことです。使いすぎた接着剤はねじ部からあふれ、きれいな塗布にならず、接着剤がはみ出た組立になってしまう可能性があります。
ねじゆるみ止め用接着剤の塗布量を決める際は、組み立てたときにねじとナットが固定される位置(かみ合ってロックされる部分)部分に注目することです。その部分に、選択したねじゆるみ止め用接着剤を数滴だけ塗布します。
ボルトが回転すると、塗布したい箇所に自然と広がり、強固な接着が得られます。接着剤を塗布したい表面全体に均等に広がっていることを確認してください。
ねじゆるみ止め用接着剤を塗布した後、ゆっくりとナットを回しながら接着剤を2つのねじ全体に均等に広げ、すべてが所定の位置で固定されるまで回します。
ねじゆるみ止め用接着剤の使用において、最後の重要段階が硬化です。ほとんどのLOCTITEねじゆるみ止め用接着剤は、液状から固形状ポリマーへの嫌気性化学反応を経て、24時間で完全に硬化します。最適な性能を確保するには、完全に硬化させることが重要です。まだ硬化していない状態で使用すると、接着剤がその機械的および物理的特性を十分に発揮することができない可能性があります。機器を迅速に復帰させなければならないメンテナンス状況では、ねじゆるみ止め用接着剤の固着時間が経過したらすぐに装置を使用してもかまいません。硬化速度が重要な場合、硬化を速める硬化促進剤を利用するという選択肢もあります。
ねじゆるみ止め用接着剤のテクニカルデータシート(TDS)に、硬化時間が記載されています。硬化時間には、以下などの追加要素が影響する場合があります:
- 温度
- ギャップ
- 金属の活性
- アクチベーターの使用
LOCTITEねじゆるみ止め用接着剤は、メンテナンスや補修の場合のように、主に組立品を固定するものです。多くのLOCTITEねじゆるみ止め用接着剤は取り外し可能で、どの製品を使用するかで取り外しの容易さは異なります。低強度および中強度のねじゆるみ止め用接着剤は手工具で取り外しできますが、高強度ねじゆるみ止め用接着剤(赤)は加熱または機械工具が必要になる場合があります。ねじゆるみ止め用接着剤の利点や使用方法については、当社のブログをご覧ください。また、フルラインナップをご覧いただくことで、適切な製品が見つかります。
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