サプライチェーンの自社の立場でどのように適切なリスク評価を行えばよいでしょうか?原材料を選定する際に、どのような点に注意する必要がありますか?食品安全に関する包装材の分析評価や毒性評価は、誰に相談すればよいでしょうか?こうした疑問に対し、ヘンケルでは、食品接触に関する証明書と3つの安全性評価に基づく専門的な対応力を通じて、包括的な情報をご提供しています。
食品包装の安全性は、接着剤のリーディングサプライヤーであるヘンケルが深く取り組んでいる重要な課題です。当社は、食品安全サプライチェーンへの貢献として、お客様が適切なリスク評価を実施できるように重要な情報を提供しています。ヘンケルの食品接触に関する証明書では、当社の接着剤に関する法規制、リスク評価および責任分担に関する包括的な情報を網羅しており、安全性の確保に向けた取り組みを支援しています。
食品接触に関する関心は年々高まっており、それに伴い新たな規制も増加しています。現時点では、欧州において接着剤に特化した明確な規制は存在しませんが、適合性、食品接触材料、リスク評価などの項目は法的要求として求められています。欧州の食品接触関連法規では、サプライチェーンの各段階で次のようなリスク評価を実施することが義務付けられています:
- 原材料サプライヤー:材料のリスク評価を実施すること
- 接着剤メーカー:接着剤のリスク評価を実施すること
- コンバーター:最終包装材のリスク評価を実施すること
- 食品メーカー:包装食品のリスク評価を実施すること
包装用接着剤の製造者として、ヘンケルは食品接触材料のサプライチェーンの一端を担っています。欧州の食品接触材料規則に従って、当社は製品に対するリスク評価を実施し、次のサプライチェーン段階で適切なリスク評価が実施できるように必要な情報を提供する責任があります。ヘンケルが食品安全サプライチェーンに貢献する取り組みのひとつが、詳細な食品接触に関する証明書です。この中では、最終包装で確認すべき潜在的な移行物質などについても明確に記載しています。
ヘンケルの食品接触に関する証明書では、製品の配合内容は開示しておりませんが、サプライチェーンにおける当社の段階で実施したリスク評価に基づいて作成されています。これらの文書は、欧州接着剤協会(FEICA, Fédération Européenne des Industries de Colles et Adhésifs)が2013年2月に発行した食品接触用途における接着剤の適合性に関するガイダンスおよびプラスチック規則 (EU) No 10/2011に基づき、明確な構成でまとめられています。食品接触に関する証明書には次の事項が記載されています:
- 食品に接触する接着剤に適用される法規制の詳細な説明(枠組み規則 (EC) No 1935/2004、適正製造規範(GMP)規則 (EC) No 2023/2006など)
- 法令順守の実現可能性に関する記述(HACCPの適用)
- EU法規、各国規定、移行試験結果、毒性評価、最悪の事態を想定した計算結果、移行モデリングに基づき実施するヘンケルのリスク評価の説明
- ヘンケルとお客様の責任範囲の明確化(移行試験、官能基特性の管理など)
- 移行試験条件の明確な記載
- 追加項目:非意図的添加物(NIAS)、鉱物油成分(MOSH、MOAH)およびポリオレフィン飽和炭化水素オリゴマー(POSH)
ヘンケルは長年にわたり、接着剤の分析および原材料の評価に関する豊富な経験を蓄積してきました。このノウハウは食品安全包装に対する理解を深めるうえで大きな力となっています。当社の目標は、これまでに培った知識を共有し、お客様の包装工程における食品安全性の向上を支援することです。このページでは、ヘンケルの3つの安全性評価に関する情報をご紹介しています。これには、サプライヤー情報の評価、分析評価、および毒性評価の3つの柱が含まれており、製品の安全性を多角的に確認する体制を整えています。
ヘンケルは、食品包装用接着剤の安全性を確保するために、GMPへの適合を目的とした厳格な原材料選定プロセスを導入しています。サプライヤーに対して「サプライヤー調査」の提出を求めています。
この質問票では、次の項目を含む情報提供が求められます:
- 食品接触基準に基づいた仕様の提示
- 懸念物質の最大濃度に関するサプライヤーの明確なコミットメント
- ヘンケルに提供した情報に変更が生じる場合の事前通知および製品に関する新しい情報が生じた場合の迅速な通知を行うことのサプライヤーの明確なコミットメント
食品安全に関するリスクを完全に排除できているかどうかを判断するには、分析評価だけでは十分でないことがあります。ヘンケルでは、食品安全評価の一環として、原材料および最終的な接着剤配合に対する毒性評価も実施しています。
毒性評価は、次の2つの方法で行われます:
- ヘンケルのサプライヤー質問票を通じて得られた情報に基づく評価
- 質問票から得られる情報だけでは十分な評価が出来ない場合、ヘンケル独自の毒性評価部門が対応し、食品用途における安全性を確保
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