- あるお客様が、より費用効果と信頼性の高い銅(Cu)リードフレームを使用した単一ダイQFNパッケージを設計していました。ベアCuリードフレームを選択した理由は、モールドコンパウンド材料への優れた接着性と、従来のPPFおよび銀(Ag)めっきCuリードフレームに比べてコストが低いことです。
- また、お客様はさらにコストを削減するため、ワイヤボンドの相互接続に金(Au)ワイヤではなくCuワイヤを指定しました。
- パワー半導体デバイスは産業用途で使用されるため、優れた信頼性、電気性能(RDS(on))、熱性能(W/m-K)が求められます。高い動作温度はダイの性能に大きく影響します。この事例では、ダイの温度は150°Cにまで達する可能性があります。
- CuリードフレームとCuワイヤを使用するパッケージに求められる性能を達成するには、ダイアタッチ材料の熱性能が重要になります。ダイアタッチ材料はダイに直接接するので、最も放熱の対象となる経路です。
- ダイとパッケージの間の高い抵抗はかなりの熱を生み、デバイスのエネルギー効率が低下します。ダイアタッチ層は電気抵抗RDS(on)に大きく影響するので、抵抗を下げエネルギー効率を上げる材料が求められます。
- ワイヤボンディングにノンスティックオンパッド(NSOP)障害が起きないように、材料は高温(200°C~250°C)での高弾性率を持っている必要があります。
- ダイアタッチペーストに、Cuリードフレームに加えて他のリードフレームの仕上げ材および裏面の金属ダイまたは非金属ダイとの適合性があることが望まれます。これにより、材料をさまざまなパッケージ設計に組み込むことができます。
- ヘンケルは、パワー半導体パッケージに必要な、高熱伝導性、低電気抵抗、高い信頼性を備える、ダイアタッチペーストの化学プラットフォームを開発しました。
- このケースでは、LOCTITE Ablestik ABP 6395Tを材料に使用し、新たなプラットフォーム上に構築します。ヘンケル独自のエポキシ化学およびAg搭載方式により、以下の性能が提供されます。
- 優れた熱伝導率性(焼結なしで30 W/m-K)。
- 低応力。
- 良好なRDS(on)を得るための低電気抵抗。
- この材料は、リードフレームとダイ仕上げ材のさまざまな組み合わせに対して、最も厳しい基準を満たします。車載用規格グレード0とMSL 1の基準を、最大サイズ3.0 mm x 3.0 mmのダイについて、ほとんどのダイ/リードフレームの組み合わせで達成します。競合材料はMSL 1の基準は満たしたものの、熱伝導率は25 W/m-Kにすぎませんでした。
- LOCTITE Ablestik ABP 6395Tを使用することで、このお客様は新しいパワーQFN設計を進め、デバイスあたり約2%のコストを削減しました。
- LOCTITE Ablestik 6395Tは持続可能性も備え、厳しい安全基準に準拠しています。ハロゲンフリー、RoHS準拠、そして第三者試験で有害物質は検出されていません。
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デバイスあたり約2%のコストを削減。 -
優れた熱伝導率を達成。 -
車載用規格グレード0とMSL 1の厳しい基準に準拠。 -
リードフレーム仕上げ材とダイのさまざまな組み合わせに適合。 -
ハロゲンフリー、RoHS準拠、厳しい安全性試験に合格。
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