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ヘンケルアドヒーシブテクノロジーズ(接着技術)

ヘンケルアドヒーシブテクノロジーズ(接着技術)

AI向けのアドバンストパッケージ

半導体材料のリーディングサプライヤーであるHenkelは、革新的な接着剤および封止材を通じて、AIおよびコンピューティング分野の進化を支えています。Dr. Kefan Niが、Singapore Semiconductor Industry Association(SSIA)と、AIパッケージ開発のトレンドや、性能と信頼性を高めるための未来のイノベーションについて話し合いました。

Dr. Kefan Ni
APAC Head of Application Engineering

5 分.
マザーボード上のCPUのクローズアップ画像

ヘンケルのDr. Kefan Niによる知見

ヘンケルは、業界をリードする半導体材料サプライヤーとしてAIとコンピューティングの革命の最前線に立ち、接着剤と封止材の斬新な配合によってアドバンストパッケージの進歩を実現しています。シンガポール半導体産業協会(SSIA)が、ヘンケルのDr. Kefan Ni(ヘンケル アドヒーシブ テクノロジーズ、エレクトロニクス事業部、アプリケーションエンジニアリング部門APAC責任者)と対談し、AIパッケージ開発のトレンド、Henkelの将来技術に対する見解、そして卓越した性能と信頼性を実現するために必要な材料革新について話を伺いました。

半導体技術がAIおよびHPCの進化において重要な鍵である理由は何ですか?

Dr. Kefan Ni(KN):演算能力を高める取り組みと、それによって進歩するAI技術は、高度な半導体能力によって100%実現されています。AIと高性能コンピューティング(HPC)は、通信速度、拡張メモリ、コンピューティングの高度化のために大量のパラメーター計算を必要とします。業界では、より小さなトランジスタ機能サイズ、より高密度、そして高速かつ電力効率の優れた高度なシリコーンノードの開発を続けています。同時に、アドバンストパッケージは革新的な統合方法を提供しています。今日の演算能力要件が満たされているのは、確実に半導体開発の進展のおかげです。

アドバンストパッケージの能力について触れられました。先進パッケージング技術について言及されましたが、AIやHPCデバイスを可能にしたパッケージ設計の革新にはどのようなものがありますか?

KN:近年、アドバンストパッケージ技術は、AI/HPCの性能要件を満たす上で欠かせない存在になっています。特に異種統合プラットフォームは、高密度、低遅延、高帯域幅性能を可能にするとともに、高歩留まりと設計柔軟性による時間短縮を可能にしています。現在のアドバンストパッケージ技術では、高度なノードロジック、メモリ、基材を、HPCとAI/5G向けのパッケージフォームファクターである小型の2.5Dにまとめています。また、バンプレス3D ICスタッキング技術の出現も目にしています。この技術では、高密度チップレットをさらにまとめ、最短の電気的距離となる最高密度のI/O間相互接続が実現します。これによって帯域幅が大幅に増大し、遅延が減り、エネルギー効率が上がります。すべてはアドバンストパッケージングの革新による成果です。

なぜAIはここ5年ほどでGPU分野で急速に進化したのでしょうか?市場リーダーの中には、90年代始めから存在しているものもあります。なぜ今なのでしょう? テクノロジーの観点から、何が変わったのでしょうか?

KN:GPU技術とアドバンストパッケージは長年にわたり存在していますが、半導体スケーリング、処理能力、解像度、材料イノベーション、設計手法における近年の飛躍的進歩によって、強力なAIの時代へと駆り立てられています。

ヘンケルは電子材料分野、特にアドバンストパッケージの封止材と接着剤に関するAIの専門知識が豊富です。2.5Dおよび3D統合パッケージを設計しているAIパッケージの革新企業と連携されていますが、材料面での最大の課題は何ですか?

KN:データセンターにおけるAIおよびHPCモジュールは、非常に大きなチップとパッケージサイズを持つパッケージを統合しています。これらのサイズは、熱拡散の要求や反りの発生により、信頼性の課題を引き起こしてきました。先進パッケージング用の半導体材料は、これらの課題を緩和し、高性能・高価値デバイスの高信頼性を確保するために、バランスの取れた処方が求められます。

そのトピックについて深掘りしましょう。では、新しいAIパッケージ設計を可能にする材料とはどのようなもので、どのような特性が必要とされるのでしょうか?

KN:そうですね。今日の複雑な設計の信頼性に欠かせない、アドバンストパッケージ向けの材料は、いくつかのカテゴリーに分けられます。例えば、アンダーフィル封止材、液体圧縮成形、サーマルインターフェース材料、リッド・スティフナー接着剤です。これらの材料特性と性能要件は以下のとおりです。

部品上に塗布されているキャピラリーアンダーフィルの3Dグラフィック

キャピラリーアンダーフィル

微細なピッチ、狭いギャップのフリップチップ接続、キャピラリーアンダーフィルの進歩に伴い、ボイドを確実になくすため 微細充填技術と高速流動性が必要です。流動速度は表面積が大きいことから重要で、すべてのバンプが封止される前に材料がゲル化しないようにする必要があります。また、信頼性と設計の柔軟性のため、アンダーフィルには各種表面(PI、SiN、Cu、Si、ソルダーレジストなど)への強力な接着性が求められます。最後に、バンプ保護と堅牢な機械的支持のため、熱膨張係数(CTE)、ガラス転移温度(Tg)、弾性率などの硬化特性のバランスをとる必要があります。

ウェーハレベル封止の応用(アドバンストパッケージング)

リキッドコンプレッションモールディング(LCM)

この材料はウェーハレベルで塗布し、ヘテロジニアスインテグレーションに使用します。ファンイン(FI-WLP)とファンアウト(FO-WLP)のウェーハレベルパッケージングのどちらにも使用できます。AIに見られる非常に高密度の2.5Dインテグレーションでは、工程での反りの制御が重要ですが、LCMはこれに役立ちます。キャピラリーアンダーフィルと同様に、LCM材料も各種表面(PI、SiN、Cu、Si)への強力な接着性が必要なのと、機械的アポートのためには強靭性、熱膨張率(CTE)、弾性率のバランスをとる必要があります。

白い回路基板上の部品を守る灰色のギャップパッド

サーマルインターフェース材料

AIパッケージの放熱方法はたくさんあります。一般的に、革新的な充填剤を統合したフィルムやシートをパッケージとリッドの間に配置し、デバイスから熱を効率的に移動させるのに役立ちます。ヘンケルは基板レベルでの熱界面材料のリーダーであり、この専門知識を活かし、パッケージレベルでのイノベーションを推進しています。

アドバンストパッケージのリッド・スティフナー接合のグラフィック

リッド・スティフナー接合

最後は、パッケージ本体が大きなデバイスに極めて重要な、リッド・スティフナー貼付用接着剤です。前述のように、大きなアーキテクチャは非常に反りやすくなります。リッド・スティフナー接着剤は、パッケージを平らに維持し、機械的損傷から保護します。ヘンケルの材料は、優れた接着性、バランスのとれた硬化特性、パッケージの高い信頼性を実現します。

今後5年から10年で、このAIの成長は鈍化すると思いますか、それとも加速すると思いますか?

KN:私は、今後5年から10年間でAIの成長が大幅に減速するとは考えていません。ただし、多くの破壊的技術と同様、市場の段階的な転換はあるでしょう。現在、いくつかの主要なプレイヤーが存在しますが、私はより多くの競合他社が参入し、モジュールコストを低下させるためのプロセス革新、そしてこの進歩を可能にする新素材の登場を予測しています。

そのとおりですね。また、AIはデータセンター以外の分野にも組み込まれています。エッジコンピューター、モバイル、自動車などのデバイスにとって、AIはどのような意味を持つのでしょうか? 材料の観点から、これらの製品におけるモバイルプロセッサー設計ではどのようなことが求められますか?

KN:オンデバイスAIは非常に大きな市場トレンドです。主要なPCやスマートフォンブランドがAIデバイスを発表しており、XRや自動車分野でもAI機能が統合されています。AI機能を統合したモバイルプロセッサーは、プロセッサ領域における 高度なパッケージングの進化を牽引しています。ここでも、高度なSiノードアンダーフィルなどの材料が必要とされますが、パッケージやチップのサイズがより小型化されるためです。

ヘンケルは先進パッケージングにおける開発において、次に何を目指すのでしょうか?今後数年でAIに必要になるものと、ヘンケルが計画している未来のイノベーションについて教えていただけますか?

KN:ヘンケルはしっかりとした基盤を持ち、現在のAI向けに高度なソリューションを提供しています。例を挙げれば、次世代キャピラリーアンダーフィル、成形アンダーフィル、精巧な機能を持つ液体圧縮成形、超低反り制御、リッド・スティフナーの接合などがあり、現在はサーマルインターフェース材料(TIM)の画期的なソリューションに取り組んでいます。これらの分野における当社のプラットフォームは秀でているので、時代を先取りした革新を続けて、得られた漸進的な変化をAIや他のアドバンストパッケージの用途に生かしていきます。

この記事の出典は、Singapore Semiconductor Industry Association (SSIA) Voice Magazine 2024年9月版です。

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