柔軟性の高い接着剤は革新的な医療機器の設計を可能にします。軟質エラストマーはウェアラブル製品に適しています。シリコーンは滅菌処理と洗浄に耐えることができます。アクリル系接着剤はドラッグデリバリーに必要な異種材を接着します。柔軟性の高い接着剤が信頼性をもたらします。
Medical Head Americas & Global Head of Liquid Filtration
ウェアラブル技術が普及する中、医療従事者は、機能性や信頼性を犠牲にすることなく、より小型で邪魔にならない、携帯性に優れた医療機器を求めています。この傾向は「小型化」と呼ばれており、接着接合によって実現します。
適切な材料からコスト、性能特性、美的感覚、人的要因から法規制への順守、生物的適合性にいたるまで、新しい医療機器を設計する際に考慮すべき事項は多種多様です。すべての側面を考慮することは困難なこともあり、製品の性能が仕様を満たしていない場合、コンセプトおよび設計段階で停滞することになる可能性があります。機器メーカーは、入手可能な最新の材料だけでなく、それらのメリットと欠点についても完全に把握する必要があります。
医療分野での小型化を進めるために、設計エンジニアは新たな材料を機器設計に取り入れています。例えば、OEMは、加工金属、ガラス、およびその他の構造材料を精密成型プラスチックに置き換えています。なぜなら、その理由の1つは柔軟性です。使い捨ての医療機器、あるいは一部の再利用可能な機器を製造する際には、患者の身体の上または近くで使用するため、多くの重要なパーツを折り曲げる必要があります。柔軟性のあるパーツや装置の例としては、チューブ、点滴および薬剤注入セット、カテーテル、酸素マスクおよび麻酔用マスク、血液透析装置があげられます。これらのパーツでは、基材が曲げやすく弾力性があり、大抵の場合、耐キンク性を備えている必要があります。
プラスチックの高い需要には多くの理由があります。プラスチックは軽量かつ頑丈であり、色彩に富んでいます。本来備わっている絶縁特性により、衝撃、湿気および振動への耐性があります。これらの特長は、滅菌処理や消毒処理を施され、ホームケア用品や医療用品として世界中に出荷される機器にとって理にかなっています。
また、プラスチックは高速での成形加工が可能で、複雑な形状をした同じ部品を何百万個も製造できる点も魅力的です。他の選択可能な製造方法と比べて、高速成形は迅速で費用を抑えることができます。
医療機器OEMのこの複雑な状況では、接着剤は小型化・複雑化した機器に対応可能な数少ない接合手段のひとつとなっています。迅速な自動組み立てを実現するだけでなく、接着剤は異なる素材の接着や、ギャップの充填、ボンドラインへの負荷の分散にも利用でき、パーツ間をシールします。
前述したように、様々な課題があります。考えてみてください：その医療機器が提供するべき重要な性能特性は何ですか？また、成果を得るために役立つ材料と組み立て方法には何がありますか？
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